
こんにちは。ビジョンボード講座「オモイノエ」主宰、大塚しほです。
「ビジョンボードって海外では人気みたいだけど、日本ではなぜ普及していないの?」
私もビジョンボードについて調べていく中で、最初に気になったのがこれでした。
実はビジョンボードは、海外ではかなり前から親しまれているもの。しかも、ただの「夢のコラージュ」だと思っていたら、意外と奥が深いんです。
今回は、ビジョンボードが海外でどのように使われてきたのか、ちょっと面白い有名人のエピソード、そして最近人気の作り方までご紹介します。
ビジョンボードの始まりのルーツは?
今では「ビジョンボード」という名前が一般的ですが、昔から同じようなものが「トレジャーマップ」と呼ばれていました。
大きな紙に、自分がこうなりたいと思う未来の写真や言葉を貼っていく。
今のビジョンボードと、ほとんど同じですよね。
その大きなルーツのひとつとして知られているのが、1978年にシャクティ・ガウェインが出版した「クリエイティブ・ビジュアライゼーション」という本です。
この本の中で紹介された「トレジャーマップ」は、自分が望む未来を写真や絵などで一枚のボードに表していく方法でした。
つまり、今私たちが「ビジョンボード」と呼んでいるものには、かなり前から続いてきた歴史があるんです。
なんだかちょっと意外ではないですか?
海外では「夢を見る」だけじゃなく、目標を整理するためにも使われている


海外のビジョンボードを見ていると、とにかく自由です。
「こんな家に住みたい」
「こんな仕事がしたい」
「こんな場所に旅行したい」
「こんなふうに家族と過ごしたい」
など、自分が大切にしたいことを写真や言葉でどんどん表現していきます。面白いのは、「お金持ちになりたい!」だけで終わらないところ。
どんな場所で暮らしたいのか。誰と過ごしたいのか。どんな気持ちで毎日を過ごしたいのか。そんなところまで考えていく人も多いんです。
海外のビジョンボード作りでは、「何が欲しいか」だけではなく、「どう生きたいか」を考えることが大切にされています。
あの有名人もビジョンボードを使っていた?
ビジョンボードについて調べていると、海外の有名人のエピソードがたくさん出てきます。
中でも有名なのが、ジム・キャリー、ケイティ・ペリー、そしてオプラ・ウィンフリー。
ただ、「ビジョンボードを作ったら夢が全部叶った!」と単純にまとめてしまうのは、ちょっと違うんです。



本人たちが実際に何をしていたのか、見てみましょう。
ジム・キャリー|自分に「1000万ドルの小切手」を書いた
まずは、ビジョンボードの話になると必ずと言っていいほど登場するのが、俳優のジム・キャリー。
これは、本人が1997年にオプラ・ウィンフリーの番組で話したエピソードなので、かなり有名です。
まだ売れない俳優だった頃、ジム・キャリーは車でハリウッドを見渡せる場所へ行き、自分が成功している姿をイメージしていたそうです。
そして、もうひとつ有名なのが「小切手」です。
彼は自分自身に、「1000万ドル・演技報酬」という小切手を書き、1995年の感謝祭の日付を入れて財布に入れて持ち歩いていました。
その後、1995年の感謝祭を迎える少し前に、映画で1000万ドルほどの出演料を得ることになると知った、と本人はオプラに語っています。
これだけ聞くと「願ったことがそのまま現実になった!」と思ってしまいますよね。
でも、インタビューの中でジム・キャリー自身が話しているのは、イメージするだけではなく、そこに向かって行動していたということ。
オプラから「一生懸命働けば、イメージすることがうまくいくの?」と聞かれたとき、ジム・キャリーも「ただイメージして、サンドイッチを食べに行くだけじゃダメ」と冗談を交えて答えています。
この話、実はビジョンボードを考えるうえで、とても大切なポイントなんです。「こうなりたい」と思い描くことと、「そこに向かって動くこと」は別物。
ジム・キャリーのエピソードは、その両方があったからこそ面白いんですよね。
ケイティ・ペリー|9歳のビジョンボードに貼ったのは「グラミー賞」
次は、歌手のケイティ・ペリー。
このエピソードは、ジム・キャリーとはちょっと違っていて、なんと9歳のときに作ったビジョンボードの話です。
2009年のインタビューで、ケイティは子どもの頃に先生からビジョンボードを作るように言われたことを話しています。
当時、9歳だったケイティがボードに選んだのは、歌手のセレーナ・キンタニーヤ。
その年、セレーナがグラミー賞を受賞していたことから、ケイティはグラミー賞のトロフィーを持つセレーナの写真をビジョンボードに貼ったそうです。
そして15年後。ケイティ・ペリー自身が、グラミー賞に初めてノミネートされました。
しかも面白いのが、ケイティ本人がそのビジョンボードをずっと大切に飾っていた……という話ではないところ。
後に引っ越しをしたときに、その昔のビジョンボードを見つけたそうです。
そしてケイティは、「子どもの頃から自分が何をしたいのかは分かっていた。ただ、そこに少しずつたどり着いていくとは知らなかった」という趣旨の話をしています。
9歳の女の子が貼った一枚の写真。
それを15年後に見つけた本人は、いったいどんな気持ちだったんでしょうね。
もちろん、このエピソードだけを見て「写真を貼ったからグラミー賞に近づいた」と証明することはできません。でも、自分が何をしたいのかを9歳の頃から目に見える形にしていた、というのはとても興味深いですよね。
オプラ・ウィンフリー|今もビジョンボードを伝え続けている
そして、もう一人がオプラ・ウィンフリー。
オプラは、ジム・キャリーのエピソードを本人から直接聞いた人でもあります。
1997年の番組では、まだ成功する前のジム・キャリーがどのように未来をイメージしていたのかを、オプラ自身が質問しています。
そしてオプラ自身も、ビジョンボードを使うことについて語ってきた一人です。
現在のオプラのメディア「Oprah Daily」でも、ビジョンボードはたびたび取り上げられています。
実際、2022年には「ビジョンボード・ワークショップ」を開催し、ゲイル・キングやアダム・グラスマン、ガビー・バーンスタインらと一緒にビジョンボードを作る企画も行っています。
つまりオプラにとってビジョンボードは、単なる「夢を叶えるためのおまじない」ではなく、自分がこれからどうしたいのかを考え、言葉やイメージにしていくためのものとして扱われているんです。
ちなみに、最近の「Oprah Daily」のビジョンボード記事では、ビジョンボードについて「魔法の杖ではない」とも紹介されています。
目標を見える形にすることは大切だけれど、そこから実際に行動することも必要。
この考え方は、私がOmoinoeで大切にしていることとも、とてもよく似ています。
こうして3人のエピソードを見てみると、面白いことに気づきます。
ジム・キャリーは「なりたい自分」をイメージし、ケイティ・ペリーは9歳のときに「なりたい未来」を写真にして残し、オプラは今もビジョンを見える形にすることを発信しています。
でも、誰一人として「写真を貼って眺めているだけで夢が叶った」わけではありません。
ここが、ビジョンボードを考えるときに私が一番伝えたいところです。
ビジョンボードは、未来を自動的に連れてきてくれる魔法ではなく、「私はどうなりたい?」を自分自身に問いかけるためのツール。
そして、そこから何を選び、どう動くのか。その部分は、私たち自身に委ねられているんですよね。
「The Secret」で一気に世界に広まったビジョンボード
ビジョンボードが世界的に知られるきっかけのひとつになったのが、2006年に公開された映画「The Secret」です。
この映画では「引き寄せの法則」が大きく取り上げられ、夢や目標をイメージする方法としてビジョンボードも注目されるようになりました。
海外ではその後、雑誌やテレビ、ブログなどでもビジョンボードが紹介されるようになり、「新しい年にビジョンボードを作る」という習慣を持つ人も増えていきました。
日本でも「The Secret」をきっかけにビジョンボードを知った人は多いのではないでしょうか。
ただし、ここでひとつ覚えておきたいのは、「ビジョンボード=引き寄せの法則」ではないということ。
現在は、願いを叶えるためのスピリチュアルな方法としてだけではなく、自分の目標や理想の暮らしを視覚化するツールとしても使われています。
海外ではデジタルビジョンボードも人気
昔ながらのビジョンボードといえば、雑誌を切り抜いて、ハサミとノリでペタペタ貼るスタイル。
これは今でも人気です。
でも最近は、作り方もかなり変わってきました。
たとえばPinterestで好きな写真を探したり、Canvaなどのデザインツールを使って、スマホやタブレットの中でビジョンボードを作ったり。
完成したものをスマホの待ち受けにして、毎日見るという使い方もあります。
実際に、PinterestやCanvaを使って「今年のビジョンボード」を作る方法は、SNSや動画でもたくさん紹介されています。
「雑誌を何冊も買って、ひたすら切り抜く」という昔ながらのスタイルだけではなく、今はスマホひとつでも作れる。
そう考えると、ビジョンボードって意外と自由なんですよね。
手で作るビジョンボードをおすすめする理由


デジタルで作れるなら、そのほうが簡単じゃない?そう思う方も多いのではないでしょうか?
もちろん、それもひとつの方法です。ただ、私が講座であえて紙と写真を使っているのには理由があります。
写真を探して、切って、並べて、「これかな?」「こっちかな?」と悩みながら一枚のボードを作っていく。
その時間そのものが、自分の未来について考える時間になるからです。
「最初はこの写真を貼ろうと思っていたのに、なんだか違う気がする」
「こっちの写真を見るとなぜかワクワクする」
そんな小さな感覚を拾っていくと、自分でも気づいていなかった「本当はこうしたい」が見えてくることがあります。だから私は、ビジョンボードは「完成したボード」だけが大切なのではなく、そこにたどり着くまでの時間も大切だと思っています。
海外で人気のビジョンボードはとてもシンプル
ここまで読んでいただくと、ビジョンボードってなんだか難しそうに感じるかもしれません。
でも、やっていることはとてもシンプルです。
「私はこれから、どんなふうに生きたい?」
まずはそこを考える。
そして、心が動く写真や言葉を集める。
それを一枚にまとめて、いつでも見られるようにする。
海外で長く親しまれてきたビジョンボードですが、結局のところ大切なのは「素敵なボードを作ること」だけではありません。
自分がこれからどうしたいのかを、ちゃんと自分自身に聞いてみること。
そのための方法のひとつが、ビジョンボードなのだと思います。
もっと気軽にビジョンボードを!日本にも広げたい


海外では、年の始まりに作ったり、友達と一緒に作ったり、仕事の目標を整理するために作ったり。
ビジョンボードは、それぞれの目的に合わせて自由に使われています。
「夢なんてそんなにないな・・・」という人でも大丈夫。
「もっと家族との時間を増やしたい」
「好きな場所で暮らしたい」
「仕事とプライベートのバランスを変えたい」
そんな小さな願いだって、立派なビジョンです。
大きな夢がなくてもいい。
誰かに見せるためじゃなくてもいいんです。
まずは「私はこれからどうしたいんだろう?」と考えるところから始めてみませんか?
▼ビジョンボードについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。


